南区の笠寺学区にある
丹八山公園には多くの石碑が残されています。土木事務所では、地域の代表の方々及び行政からなる検討会を設置して、公園の個性を活かした魅力づくりや大地震への対応といった観点から、石碑の取扱いを始めとする丹八山公園の方針をとりまとめています。その結果を受けて、今年度には公園内に残置されている石碑62基について、公園施設としての位置づけを行ったところです。
このたび、この検討会の中で明らかになった石碑に刻まれた伝説・伝承や、それらの伝説と密接にかかわる笠寺台地のなりたちについて市民の方々にお伝えするべく、見晴台考古資料館と共催で
『丹八山公園に行ってみよう!-講演会&ウォーキング-』を実施しました。今回はその模様をお伝えします。
講演会及びウォーキングは9月22日(日)に行われました。場所は笠寺公園内の見晴台考古資料館です。

当日は、以下のように3部構成で行いました。
第1部 講演会
1.丹八山公園の石碑について
2.笠寺台地の地形と遺跡
第2部 ウォーキング
第3部 熱田神楽の実演 第1部の講演会では、始めに南土木事務所の副所長より、丹八山公園の石碑について、設置の経緯のほか、検討の中で明らかになった石碑内容の概略について説明しました。丹八山公園の石碑は文語調で書かれているものが多く、その中には郷土の伝説や伝承など興味深い話が多く刻まれています。講演会では、その中から、この笠寺地域にゆかりのある「日本武尊の大蛇退治の伝説」や「笠寺観音の開基と玉照姫」、「玉手箱の蓋を開けない浦島太郎」などについての紹介を行いました。

続いて、見晴台考古資料館の学芸員から笠寺台地の地形と遺跡についての講演がありました。旧石器時代から中世に至るまでの遺跡の多くが南区の笠寺台地に集中しています。これは当時から、この部分が松巨島(まつこじま)といわれる島であった一方、区内の西部は海であったためで、近世以降の埋め立てによって西部の土地ができたものであることが報告されました。丹八山公園の石碑には笠寺台地にある笠寺観音や笠寺城跡に関することなどが刻まれており、当時の人々の言い伝えが石碑に残され、今日に伝承を伝えているとのことでした。
講演が終わった後は、第2部として、笠寺公園から丹八山公園まで約1kmのウォーキングを行いました。今回のウォーキングで使用したルートは、短い距離ながら南区の歴史や文化によく触れることができます。
まず始めに、笠寺公園内を歩き、きんさん桜・ぎんさん桜を見に行きました。これは今年の1月に南区役所から移植されたエドヒガンで、南区役所新庁舎の完成を記念して、岐阜県根尾村(現本巣市)から樹齢1500年ともいわれる長寿の桜として知られた「淡墨桜」の苗木を、「長寿のおすそ分け」としてもらい受け、南区役所敷地内に植樹されていたものです。
その後、石碑にも登場し伝承の舞台ともなっている笠寺観音、泉増院、七所神社を紹介しながら丹八山公園に向かいました。下の写真は七所神社で学芸員から丹八山との関わりの説明を受けている様子です。
最後に丹八山公園の山頂で、熱田神楽保存会の皆様による熱田神楽の実演が行われました。石碑の前で笛と太鼓を用いて、平将門の調伏ゆかりの曲「まつりばやし」が演奏されました。
以上、当日の内容をお伝えいたしました。
当日は天気にも恵まれ、参加者の皆様からは大変好評なイベントとなりました。今回は多くの方々のご参加をいただき誠にありがとうございました。
また、このブログをご覧の皆様も機会がありましたら、丹八山公園にお立ち寄りいただき、南区に伝わる文化を実感していただければと思います。
担当:南土木事務所 管理係
【参考】
見晴台考古資料館
http://www.city.nagoya.jp/kurashi/category/19-15-2-8-0-0-0-0-0-0.html
テーマ : 名古屋・愛知
ジャンル : 地域情報