高蔵公園では、地元と一緒に再整備計画を作り、平成29年度からの3か年計画で公園整備工事を進めています。
平成30年11月23日(金・祝)、「高蔵遺跡第60次発掘調査説明会」(教育委員会文化財保護室主催)が実施されました。
高蔵公園一帯には「高蔵遺跡」と呼ばれる弥生時代からの遺跡が見つかっています。公園内にも古墳(埋蔵文化財登録されているのは1号墳・5号墳・7号墳の3つの古墳)や環濠(かんごう‥周囲に堀を巡らせた状態)が残っており、紀元前から熱田台地に人々が暮らしていたと考えられています。
今回、高蔵公園の再整備工事に先立ち、埋蔵文化財の持つ歴史情報を後世に残すため文化財保護室に依頼して、掘削等を行う箇所の発掘調査を実施しました。過去の調査の結果を踏まえながら、学芸員の指導のもと調査が進められ、新たな古墳(8号墳(仮))も発見されました。
説明会は、学芸員の解説で、5号墳付近の遺構、7号墳の石室の石積み、新規発見の8号墳(仮)の発掘現場などをご覧いただきました。

当日は小学生から年配の方まで約250人もの多くの方が見学に来てくれました。
見学者のみなさま
まず初めに、昨年度の調査で見つかった7号墳で、地中に残る石室の一部をご覧いただきました。7号墳は横穴式石室をもつ円墳で、実際に石が積み上がって壁状になっている様子を見ることができます。
「小さい頃ここでよく遊んだ。そんな場所に古墳があったなんて!」と驚いている方もいて、みなさま興味深く見学されていました。

7号墳の様子
次に8号墳(仮)の現場です。8号墳(仮)は今年度の調査で新たに発見された円墳です。「地表に現れていた石から推測し、発掘したら新たな古墳だった」という学芸員の説明に、皆さん興味深そうに耳を傾けていました。

8号墳(仮)の見学の様子
最後に5号墳付近の発掘現場をご覧いただきました。5号墳は、公園の南東側に位置しており、今でもわずかな土の盛り上がりが確認できます。調査の結果、この古墳は方墳の可能性が高いということが分かりました。
墳丘の周りにめぐらされた遺構からは今回調査で土器片も出土し、その状況を直接見ることが出来て、皆さん興味津々な様子でした。はにわや熱田神宮の遺跡の瓦と同一の模様の瓦が出てきたという説明に驚いていました。
今回の説明会を通じて、地元の方々の高蔵遺跡への関心の高さが伺えました。
「自分たちの身近にこんな古くからの遺跡があったんだ」と驚いている方もいて、高蔵遺跡を知っていただくとても有意義な機会になりました。
学芸員いわく「高蔵遺跡は全国的に有名でかつ貴重な遺跡」とのこと。公園の再整備計画では「高蔵の歴史とみどりがみんなを結び楽しめる公園」を目標としており、遺跡を伝える施設(案内板等)の整備を予定しています。引き続き、文化財保護室や地元の皆さんと協力して、高蔵の歴史を高蔵公園の魅力向上に生かしていきたいと思います。
緑地事業課
熱田土木事務所